PSAの話

高齢者の癌の中で急増している前立腺癌ですが、他の癌と特徴的に違う点は早期発見が可能なPSAという腫瘍マーカーが存在するということです。今回はこのPSAについての話をしたいと思います。

<PSAとは>?

前立腺特異抗原(prostatic specific antigen)の略であるPSAは前立腺で生産され、精液の一部として排出されます。
すなわち、正常であればPSAは前立腺か精液中の2つの場所で見つかるのがほとんどで、血液中に高い値のPSAがあるということは何らかの異常が体内存在するということです。

PSAの役割はいまだに不明のことが多数ありますが、重要な役割として、射精後すぐに固まる性質のある精液を液体に戻し精子が自由に動けるようにするということがあります。PSAの正常値は4(ng/ml)以下です。PSAは癌だけでなく、前立腺炎や前立腺肥大症などの良性疾患でも上昇しますが、10以上のような高いレベルでは良性より癌である確率が高まります。そのため、4~10の間をグレーゾーンと呼び、癌である可能性もあることを念頭に置く必要があります。

<PSAあれこれ>

F/T比

実はPSAには、ACTという蛋白と結合しているものと、どの蛋白とも結合していないfree PSAが存在することと、前立腺肥大症ではfreePSAの比率(F/T比)が高いことが分かっています。
そこでF/T比が20%以上であると前立腺癌の可能性が低いという判定をしています。

PSA density

PSAは肥大前立腺組織からも分泌されるため、大きい前立腺ほどPSA値は高くなる傾向があります。そこでPSA値を前立腺の大きさで割ったPSA density(PSA密度)が0.15以上である場合、より癌の可能性が高くなるといわれています。

PSA velocity

腫瘍組織は肥大症組織より早く増殖するため上昇の速度を測ることにより、癌の可能性が高いかどうか判定することもできます。1年間に0.8以上上昇すると要注意です。

Age reference

PSAは年齢とともに上昇する可能性があるため年齢ごとに正常上限を設定しています。

40~49歳 2.5ng/ml
50~59歳 3.5
60~69歳 4.5
70歳以上 6.5

これらの値は、実際の仕様はむずかしく参考程度にとどめていただきたいと思います。
以上PSAについてお話してきましたが、確定診断には組織正検が必要なことは言うまでもありません。

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